最近よく耳にする、HSPとは何なのか?
HSPとはHighly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)の略で、生まれつき「非常に感受性が強い敏感な気質の人」という意味です。英語の頭文字を取り、HSPと呼ばれています。日本人の5人に1人がHSPの性質があり、少なくない人がHSPの特性を持っています。
HSPは先天的な生まれ持った性質であり、環境や性格などの後天的に身につくものではないことがわかっています。HSPの特性として、他者の言動や感情を敏感に感じ、人に対して過剰に感情移入してしまうことが挙げられます。また、五感が鋭く周囲の音や臭い、光などを敏感に感じてしまい集中しなければならない場面でもできないことがあります。
HSPの方には、気疲れしてしまい、生きづらさを感じる方も多くいます。人口の約8割の人はHSPではないため、この特性に共感を得ることが難しく、自己嫌悪に陥り、空気を読むことに孤独感を感じやすくなる性質といえます。
※上記に記載したとおり、HSPは生まれつきの気質であり、環境や性格など後天的に変るものでなく、病気でもありません。
HSPの症状とはどのようなものか
HSPはDOES(ダズ)と呼ばれる4つの特性があると言われます。4つの特性が揃っていることがHSPの定義になります。どれか一つでもあてはまらない物がある場合は、別の気質や病気の可能性があります。
Depth of processing
(考え方が複雑であり、深く処理してから行動する)
物事を始めるのに色々と考えてしまうので行動するまでに時間がかかりますが、没頭して物事を調べる特徴があるため、知識が深くなる傾向があります。また、社交辞令やお世辞にも熟考するため、人の真意をすぐに見抜いてしまいます。
Overstimulated
(刺激に敏感で疲れやすい)
相手の言葉や気分に敏感で、気になってしまったり傷つきいつまでも忘れられなくなります。また、映画や音楽などに深く感動するなど、外部環境の刺激を感じ取りやすいです。些細なことに過度に驚いてしまうこともあります。
Emotional reactivity and high Empathy
(人の感情に反応し、高度に共感してしまう)
共感能力が高いので映画などの登場人物に感情移入して喜んだり悲しんだりします。また、人が怒られていると自分も怒られているように感じ、気分が落ち込んだり、傷ついたりします。
Sensitivity to Subtleties
(些細な刺激に対する感受性)
冷蔵庫や時計の音などの生活音が気になったり、人の体臭や口臭に敏感に反応してまったりと、日常生活の些細なことが気になってしまい、集中するべきところで集中ができなくなることもあります。
このようにHSPは様々な刺激を日常生活で強く受けてしまうので精神的に消耗してしまい、生きづらさを感じる原因になることがあります。
HSPかどうか診断15項目をチェック
アーロン博士らが開発したチェックリストをもとに、心理学研究において作成された日本版HSPスケール「HSPS-J19」をアレンジしています。
アーロン博士が開発したチェックリストの場合は27項目中、過半数の14項目以上が当てはまるなら「非常に敏感な人」である可能性が高い。今回は17の質問なので、8個以上のYesがあればHSPの可能性があることになります。
※厳密な診断ではありません
HSPとうまく付き合う対処法
もしもあなたがHSPの特性を持つ場合、どんな対処をしたらいいでしょうか。3つの対処方法を紹介します。
1、インプットの制御する
HSPの特性として、感じ取った物事を深くを掘り下げるといったことがあるようです。第五感が鋭く、全神経を使って情報処理を行うため、情報量が多いとすぐに疲れてしまいます。
情報量を少なくするために、SNSを使いすぎない、耳栓や音楽を聴く、画面を暗くする、整理整頓をする、電車内で目をつぶる、通知を消しておく、感情的なやり取りや競争、ノルマを避ける。
2、自分の感情を言語化する
HSPの特性を持つ人は、物事に敏感に察知し、対応していることで、多くの人の感情に共感しすぎ、自分の感情、本心がわからなくなってしまっています。
自分のプライベートな時間を利用し、紙やスマホなどに自分の気持ちを言語化することをオススメします。これはHSPの特性を持たない人でも、自分を客観視できる方法の一つです。
3、快適な環境を見つける
環境が変わると敏感に反応してしまう特性を持つHSPの方でも、一度なれると優れた能力を発揮する人も多いそう。だからこそ、どのような環境が自分に合うのか?心地よいと感じるのか?を探しましょう。
五感が刺激されない職場や部屋づくり、人目のつかず、注意の引かない環境を探しておきましょう。「環境選び」と「心地よさ」を大切にしましょう。
HSPの方におすすめの本
「気がつきすぎて疲れる」が驚くほどなくなる 「繊細さん」の本